晩秋のひと日を飾る庭楓樹
午後の日差しに黄金色なす
田山方南の和歌より
台風シーズンも終わり、穏やかな風の吹く小春日和のこの頃。
箱根も行楽シーズンを迎え、賑わっております。
玉庭から歩いて5分の所にある早雲寺は、戦国時代の武将北条氏綱が父早雲の遺命により1521年に創建した臨済宗大徳寺派の古刹です。
小田原北条氏の5代の菩提所となっています。
1590年に豊臣秀吉の小田原攻めの際に本陣にもなりました。
連歌師飯尾宗祇の終焉の地として、多くの俳人が今も訪れております。
茶人山上宗二は、師千利休に再会する為早雲寺を訪れ、秀吉に惨殺されています。
日本の歴史と文化の大きな流れの中に今もこのお寺があります。
これからの季節は早雲寺の本堂の裏にある大銀杏が綺麗に色づきます。
手入れの行き届いた枯山水のお庭も是非ご覧下さい。
今年は厳しい暑さが続きました。長い夏でした。
箱根は8月16日に強羅の大文字焼きが終わり、秋の気配がしてきます。
当庭も鈴虫の音が聞こえ始め、朝晩の風も涼やかになりました。
玉庭の正面玄関の門柱の字は、稲垣黄鶴先生のお筆によります。
先代の女将が旅館を始めた時に、習っていた先生に書いていただいたものです。稲垣先生に「玉庭」という字を書いていただいたことを、とてもありがたく思っておりました。
周りの枠は檜の丸太で作られていて、雨風で土台が腐り、50年近い年月で3回作り直していますが今も始めた時と同じ形を保っております。
玄関の春・夏・秋の写真を並べてみました。
季節により、様々な景色をお愉しみいただけます。